ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

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すべての知識の拡大は、無意識を意識化することから生じる。

金属製ヘッドが一般ゴルファーに認知される以前、ドライバーは特別なクラブではなかった。

ゴルフは飛べば有利との認識も、今ほど強くはなかった。

ボールの曲がりであったり、高低差のある飛球を打ち分けたり出来る事が、上級者であった。

ボールの性能(糸巻きボール)とクラブヘッド素材(パーシモン)とのマッチングからして、飛球をコントロールする事が重視されていた。

ドライバーは1番ウッドでしかなかった。

パーシモンには2番ウッド(名称はブラッシー)が存在したので、1番、2番、3番、4番、5番の構成がウッドクラブであった。

アイアンクラブも1番から順番に9番までで、その他のクラブがピッチンウェッジとサンドウェッジ、パターとなる。

 

ゴルフクラブはウッド、アイアン、ウェッジ、パターと分類されそれぞれに特性がある事となる。

ウェッジとパターの特性は後述する事として、ゴルフクラブの動きである振子運動で特性を説明すれば、ウッドクラブのボールに対するインパクト位置は最下点で、アイアンクラブは下降から最下点の途中である事は、前述した。

ゴルフクラブの特性を存分に生かしたスイングを目指すのであれば、クラブの動きに準拠した動作を身に付ける事が肝要である。

 

インパクトの位置が最下点と、下降途中から最下点までの違いが、どれほど違うのか。

せいぜいボール1個から半個分で、約2センチから4センチの違いとなる。

その程度の違いならスイング動作に影響はないだろうと考えたら、上達など望むことは出来ない。

ゴルフはボール1個分(約4.3㎝)以上ずれたら、空振りと言う最悪な結果を招くのである。

ハンマーや包丁の様に、片手で持ち対象物が手元から近くにあれば、狙った場所を正確に当てる事は難しくない、腕の動きだけで事は済む。

釘を打つ金槌と薪を割る両手使いの斧を比べて、どちらが早く習得出来るのか?

誰でも、簡単に答えを導き出せる筈だ。

斧は1種類で事は済むであろうが、ゴルフクラブは14本もある。

ゴルファーと言うのは、いかに多種多様な動作を要求されているのかお解りだろう。

 しかし、14通りもの動作を覚える必要があれば、150年以上の歴史と現在世界中に約6500万人ものゴルファーは存在しないであろう。

つくづく、人間は道具を使うことに優れた生き物だと考えさせられる。

経験して行く過程で、もっと多くの動作を無意識のうちにインプットして、更にそれを無意識のうちにアウトプットしている。

 

ツアープロの丸山茂樹氏は、タイガーウッズ選手は左右の曲がりと高低差を13本のクラブでコントロール出来ると解説していた。

 

レッスンでは、9種の弾道と言う法則がある。

クラブヘッド軌道とクラブフェイス角度を組み合わせると、その結果が9種類の弾道となる。

ターゲットラインに対してクラブヘッドの軌道は、インサイドイン、インサイドアウト、アウトサイドインの3種類。

クラブフェイス角度は、ストレート、クローズ、オープンの3種類、それぞれを掛け合わせることで、打ち出された弾道は9種類になると言う理論だ。

 

タイガーウッズ選手はこの9種類に、弾道の高さを高中低として組み合わせ、更に13本のクラブで可能なわけだから351通りの弾道を打ち別け出来る事となる。

丸山氏は、ウッズ選手は出来る事の引き出しが他の選手とは比べ物にならないと解説していた。

タイガーウッズ選手が特出した存在である事は、世界中が認める事だが、一般ゴルファーでも無意識のうちに多くの動作を身に付けている。

 

そしてこの無意識が厄介で、多くのゴルファーの前に、上達の壁となり立ちはだかるのである。

 

ニーチェは言った

Every extension of knowledge arises from making the conscious the unconscious.

すべての知識の拡大は、無意識を意識化することから生じる。

 

人は何かを習得する時、意識的に動作を覚えようとする。

頭で考えて動作する行為は、動き出すまでにテンポが遅れたり、ぎこちない動きとなる。

動きを覚え、頭で考える前に無意識に動き出す事が出来れば、動きはスムーズとなりテンポが良くなる事で見た目もよくなる。

しかし、残念な事に見た目が良くなれば結果が良くなるわけではない。

初期の段階で、間違った動きを覚えてしまえばやがてその動きは、無意識の領域に刻まれその事に気付くまで、延々と繰り返される事となる。

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