ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

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代わり映えしない日常が無の心を生み、無の心がひらめきの瞬間をつくり出す。

人は様々な経験を経て、心技体をバランスよく習得し、人としてゴルファーとして成長する。

何かを習得するには、一定量の時間が必要とされ、ネガティブ感情とポジティブ感情をコントロールする思考法を取り入れ、そして趣味であれビジネスであれ、資本の源は身体である。

 The scales fall from one's eyes(目から鱗が落ちる)

何か技術を習得する段階で、思いがけないアドバイスや情報を見聞きした時、この言葉を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。

でも、悲しいかな現実は、そう甘くはない。

「わかった!」と思った事は、実はわかってなかった事が殆どで、結局は積み重ねが大事だった事に気付かされる。

人生毎日が、変化に富み日々新たな発見がある事を良しとするのか、規則正しく、同じ事の繰り返しで退屈と思われる毎日を過ごすのか。どちらが充実した人生だろうか。

 

10代、20代であれば、きっと前者のが楽しく、ハッピーであろう。

しかし、勝者や成功者は、後者の生活を送りながら、変化を察知して成長を感じ取る。

 

ラグビー日本代表で、ワールドカップ2015で活躍した五郎丸歩選手が、ゴールキックをする時のルーティンが話題になった。

この五郎丸ポーズは、メンタルコーチの荒木香織さんと共に作り上げたと言われている。

 ルーティンは、メンタルに大きく影響すると言われる。

世界で活躍する、トップアスリートの多くが取り入れるルーティンには一体どのような意味があるのだろうか。

このルーティンと言う言葉、メディアに取り上げられて世間一般に知れ渡ったのは、イチロー選手のバッティング時に取る行動が、クローズアップされてからではないだろうか。

では、イチロー選手のルーティンが現在の型となったのは何時からだろうか。

高校時代とオリックスに入団した年のバッティングフォームは、現在と比べて基本的な部分に違いはないように見えるが、バッターボックスに入ってからのルーティンは明らかに違う。

この時点では別段特徴もなく、どの選手にも共通するバッターボックスでの動作である。

振り子打法と名付けられた、右足の動きもまだない。

今では想像もつかないが、オリックスファーム時代、試合で脚を痛め、途中退場したイチロー選手が、翌日練習中に当時の2軍監督根来広光氏に、自己管理をしっかりしろと注意されている。

この出来事を切っ掛けとして、現在の卓越した自己管理能力を身に付ける事となったのだろうか。


1994年、200本安打を達成した初年度。

前年にはファームで、当時2軍打撃コーチの河村健一郎氏と作り上げた振り子打法が、姿を現し始めるものの、現在のルーティンにはまだなっていない。


1995年の開幕戦では、初めて現行のバットを右手で回すルーティンを取り入れている。

200本安打を達成して、環境が一変し、日本中が注目し、心の変化が表れている気がする。

バットをピッチャー方向に立てて、ユニフォームの肩口を上げる動きはまだない。


1996年、日本シリーズの映像。

身体を大きく開き、対戦ピッチャーに威圧感を与える構え、ルーティンの原型が完成した年ではないだろうか、20年前である。

 見える部分だけクローズアップしたが、日本のプロ野球史上初となる200本安打を達成し、プロ入りして5年近い歳月を経て基本動作を築き上げている。

ルーティンの重要性を誰よりも感じているのは、イチロー選手であろう。

 

人には誰しも癖がある。

自分では気付かず、他人から見て好ましくない行為と受け止められることが多い。

無意識に習慣化された行為とも言える。

ルーティンは、意識的に自分にとって有益となる事を習慣化させる行為。

有益と無益若しくは、他人から見たら害。

意識的と無意識。

正反対に見える、ルーティンと癖だが、共通点がある。

 

それは、心を落ち着かせる効果がある事。

貧乏ゆすりや髪の毛をいじる行為など、他人から見たら不快に感じる事も、その行為に及んでいる本人は、心に何かストレスを感じ、無意識にストレスから解放されようとしている証である。

ストレス社会となり、アトピー性皮膚炎を発症する人の総数は、20年間であまり変化はみられないようだが、成人の発症率が増える傾向にあるようだ。

アトピー性皮膚炎は遺伝など、様々な原因があるとされるが、現代はストレスが原因と考えても不思議ではない。

アトピー性皮膚炎の人は、ストレスを感じると、痒みに襲われ猛烈に掻き出してしまう。

痒くなった所を掻くと気持ち良いと感じる事は、誰しも経験があるだろう。

過度の緊張や不安もストレスとなるので、癖に見られるような無意識で行う行為は心を落ち着かせ、無の境地に導く。

人の本能である行為を利用して、意識的に癖に似た行為を行い、心を安定させる事を目的としたのがルーティンと考えても無理はないのではないか。

ふとした瞬間に無意識に繰り返してしまう行為、でもその行為をする事で心が安定している。

それを感じ取り、応用すれば自分なりのルーティンが出来るのではないか。

 

野球だけではなく、スポーツであればどの競技にも、選手によって独自のルーティンが存在する。

ゴルフでも、タイガーウッズ選手や片山晋呉選手のルーティンは有名だ。

ゴルフの場合、素振り、ワッグル、フォワードプレスなどを取り入れるプレーヤーが多い。

 

道具には重心が存在する。

人は道具の重心を、本能で感じ取る事が出来る。

学生時代、シャーペンやボールペンを指に乗せてクルクル回転させた事がある人、その光景を見たことがある人は多いと思う。

イチロー選手もまずバットを回す事から、始まっている。

ゴルフクラブ、テニスラケットを回す選手は多い。


 キーガン・ブラッドリー選手の独特なルーティン。

 

予防医学者の石川善樹氏は、メンタル・タフネスの著者であるジム・レーヤー氏から、一流プレーヤーとそうでないプレーヤーの違いを聞いた所、一流プレーヤーは自分なりのリカバリー方法を知っているそうである。

プレーしていない時間にどれだけ自分のメンタルを良い状態に持っていけるかであったり、チェスなどの対戦ゲームであれば、相手の手を待ってる間にリフレッシュ出来るか。

トッププレーヤーは、そういったリカバリーのルーティンを持っているそうだ。 

 

装幀家・菊池信義氏は言った

『代わり映えしない日常が無の心を生み、無の心がひらめきの瞬間をつくり出す。』

 

人にはそれぞれに違った日常があり、代わり映えのしない毎日が何も生み出すことなく過ぎ去って行くと考えてしまったら、何も得ることは出来ない。

大陸ヨーロッパの人達は、長期バカンスを楽しむ人が多い。

フランス人は、今の時期に1か月近くバカンス休暇に入る。

日本の義務教育に該当する子供たちは、2か月以上夏季休暇がある。

彼らのバカンスの楽しみ方は、非日常な所に出掛けて、何もしない事が最高の贅沢だと言う。

ヨーロッパの人達は、リカバリーのルーティンを作る環境が整っているのかもしれない。

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