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ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

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手は、道具の中の道具である。

基本と言葉

習い事には、基本が大事である。

きっと誰しも一度は、聞いた事があるセリフであろう。

では、その基本とは何であろうか。

理論で裏付けられた事象や現象なのか、それとも経験からくる言い伝えなのか。

世の中、曖昧な事が溢れ、情報社会ではその真偽を見極める力が必要とされる。

 基本と言う言葉からは、守るべき事など硬いイメージを持つのではないだろうか。

守・破・離の考えにある様に、基本は守であり、習得に於ける第一段階と言える。

更に体得に至るには、基本から一度離れ、疑の思考が必要と思う。

そして、個々の独創的な思考へと変化するのではないか。

卓越した人物であっても、その才能を維持する事は困難である。

長きにわたり維持するにも、好不調が繰り返されるのは必然であろう。

不調が訪れた時に、必要となるのが基本ではないだろうか。

基本から一旦離れる場合、その基本とは何かという事を明確に定義する必要がある。

動作や思考を続けていれば、ある時点でそれは、潜在意識へと変化する。

潜在意識になる事は、意識することなく動作を行う事が出来る事と考えられる。

その動作が結果を伴っていればいいが、伴わなければ記憶させる必要はない。

そこで、記憶に必要な事と必要でない事を取捨選択し、必要な事を記憶させる方法が重要となる。

しかし、残念ながら人は同じ過ちを繰り返す生き物の様だ。

正しいと思われる動作を覚えても、何かのきっかけで正しくない動作が呼び起される。

多くの時間をかけて、失敗を繰り返しながら記憶する方法がベストではあるが、多くの時間をかけて、動作を身体へと記憶する方法は一般的とは言えない。

多くの人は、多くの時間を動作を記憶させるために費やす事が出来ないので、自分に合った理論を暗中模索する事となる。

自分に合った理論を運よく見つけられればいいが、簡単ではない。

では、動作を記憶するでベストな方法はあるのだろうか。

 

慶応義塾大学教授の諏訪正樹氏は、からだメタ認知と言われる方法論を研究している。

 

からだメタ認知とは、身体と環境の間で生起する事柄をことば化によって意識上に持ち上げる努力をすることによって、身体と環境のインタラクションそのものを進化させる行為とある。

ことば化の対象となるのは、

①身体運動とその環境

②環境からの知覚(身体が環境中にどのような変数を知覚、認識しているか)

③自己受容感覚(体感、身体運動の結果として体内にどのような感覚が生起しているか)

人は言葉を使って考える生き物であるから、連想や推論により、言葉にする前には気付かなかった新たな言葉の視点を得る事が出来る。

新たな言葉の観点でからだを見直す事が可能になり、身体が為す行為や体感も進化し、ことば化出来る事柄も進化する。

メタ認知という概念自体は心理学で古くから存在するが、身体はことば化の対象から除外されていた。意識上で思っている事を敢えてことばとして外に出して、自分で自分を客観的にモニタリングすることによって自己の行動を客観的に分析するがメタ認知思想であり、からだメタ認知の思想は、内部観測的行為により、身体と環境のインタラクションそのものを変革させ、身体と行き来を共に進化させるための手段としてのことば化であると、諏訪教授は言う。

ある動作を言葉で表現し、その言葉から動作をイメージさせ、そのイメージから身体が反応する。

動作を体で覚えるのではなく、言葉を記憶して、その言葉によって動作を呼び起こす。

言葉であれば、明確に記憶しなくても、記録しておけば、記憶を呼び出す事は容易である。 

動作を記憶する方法として、古くから見様見真似と言う言葉がある。

ゴルフでも、レッドベター氏などが理論体系化する前までは、見様見真似が主流だった。

理論体系化され、一般ゴルファーへも身近になった多くの理論は書籍化され、言葉、図解、写真などで解説され、デバイスの進化、インターネットの普及により映像も見たい時に見る事が出来る。

では、言葉による効果とはどのような事が考えられるだろう。

自己啓発によくみられる、目的や目標、挫折しそうな時に気持ちを切り替えたりする場合に紙に書きだして目に見える所に張るなどの場合。

この場合は、行動に関する効果と考えられる。

タイガーウッズ選手も子供の頃、部屋に自分を奮い立たせる言葉や目標を書いて、常にそれを見てメンタルを鍛えたと言われる。

テニス界で常に注目されている日本人選手と言えば、錦織圭選手である。

錦織選手も子供の頃から、言葉を心の支えにしてきた人である。

思いつく言葉を常に書き留めることで、パフォーマンスにつなげる。

メンタルが安定していない時に、言葉は力になると言う。

 

では、動作をする際に影響する言葉とは、どの様な言葉だろうか。

ゆっくり、早くなどスピードを表現する言葉、音を表現する擬音語、動作を模倣する場合の表現などが挙げられる。

基本を言葉によって表現する方法は果たしてあるのだろうか。

 

古代ギリシア哲学者のアリストテレスは言った。

「手は、道具の中の道具である。」

 

ゴルフ動作は、ゴルフクラブと言う使う事で、完結される。

ゴルフの基本中の基本は、ゴルフクラブを使ってゴルフボールを打つ事に他ならない。

人の体が、ゴルフクラブに接している唯一の場所は、手である。

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