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ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

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われわれの意識は、日常では脳の働きの5パーセントしか使っていない。

潜在記憶と顕在記憶

意識の概念を分けて考え、最初に提唱したのは、心理学者ジークムント・フロイトである。

フロイトは、意識は3段階の構造で構成されていて、意識、前意識、無意識と定義した。

その後、無意識を2段階に分けて考えたのが、心理学者カール・グスタフユングである。

それが、個人的無意識と普遍的無意識となる。

そして両者ともに、意識に占める大半が、無意識の領域であると言っている。

フロイトユングは共に精神科医であり、心理学者といわれる。

フロイトユングの時代を経て、現代では人工知能も含めて、心理学、哲学、言語学など幅広い範囲から、脳と心の働きを分析する認知科学が注目されている。

認知科学では、潜在記憶と顕在記憶という概念がある。

何かを行う時や何かのきっかけで、記憶を呼び起こして意識化するのか、偶然意識化されるのかが別であると解釈できるが、人の動作とは、日常でも非日常でもその繰り返しだろう。

 

世界的ベストセラー「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレッド・ダイヤモンド氏は、現代人の祖先は約1万1千年前には、集落を移動しながら生活する狩猟採集民しか存在しなかったが、肥沃三日月地帯で食糧生産(農耕、牧畜)が始まり定住生活が発展し、徐々に狩猟採集民族を追いやり、社会が巨大化して行くようになったと言う。 

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
 

 人は安住、定住を無意識に求め、安定した生活を渇望する。

代わり映えのしない生活は、退屈だとか言いながら、その生活が続くことを願う。

日常生活でも、規則正しい生活が、人の体には一番やさしいことは確かである。

 仕事でも、仕事の覚え始めより、要領を掴み、ルーティン化すれば生産性は上がる。

 ゴルフでもプレショットルーティンは決まった動作を決まった手順で行うことに意味があり、それは、記憶を意識して呼び起す動作である。

 

プレショットルーティンの目的は、飛球結果を満足出来る結果にすることに他ならない。

ルーティン化するべきことをまとめると、以下になる。

1.ボールの状況確認

ティショットならば、ティアップする場所の選択、ティの高さ、ボールの向きを決める。

セカンドショット以降であれば、ボールの状態を確認、スタンスを取る場所の地形や状態を確認。

2.目標の確認

現在地と目標地点での、風など飛球に影響を及ぼす状況確認。

目標地点までのOB区域、ハザード、障害物の有無、地形、距離を確認し使用クラブの選択。

3.ボールに対して距離の測定

使用クラブを使い、ボールに対して構えた時のスタンス場所を決める。

4.動作確認

素振りや飛球イメージを行い、本番に備える。

概ねの流れは、1~4と思うが、中には4を省略するゴルファーもいるだろう。

プレショットルーティンには決まったルールが存在するわけでもなく、ゴルファーがそれぞれ自分の最適な方法を見出せばよく、ツアープロの模倣をした所で、ルーティンでの動作には理由があるので、その目的を理解しなければ意味はない。

肝心なことは、ショット毎に決まった動作を決まった手順で、ほぼ無意識に行えることである。

始めは意識して行い、反復することにより記憶され、そしてショット毎に呼び起される事となる。

ここで、感覚が呼び起される、若しくは呼び起す必要がある場面はどこだろうか。

ティグラウンドでの、ティアップの場所は、飛球イメージとスタンス場所の状態が左右するので、視覚、触覚(足の裏)、聴覚を使いその感覚を呼び起こす事となる。

セカンドショット以降であれば、ボールのライ状態による飛球への影響、傾斜地による飛球への影響を考え、視覚、触覚(足の裏)、聴覚を使う事となる。

目標に対しては、距離、OB区域の場所、バンカーなどのハザード、障害物の有無、風の状態を視覚と聴覚で把握することになる。

これらは、コースラウンドでの経験によって培われるので、練習することは不可能と言っていい。

反復練習によって身に付けることが出来、飛球に影響する感覚と意識を必要な時に呼び起し、切り替える動作が必要なのは、3と4である。

1と2で、ボールの位置や状態、目標に意識が向いて戦略的要因に対する心の準備は整った。

次に意識が向かうのは、どの様にしてボールを打つのかという事であり、ここで初めて道具に触れることとなる。

ゴルフクラブを握って、ボールに対して構える手順の説明はここでは省くが、クラブを握る行為によって、多くの感覚が呼び起されることとなる。

もう1つは、ボールとの距離を決める行為で、サンド、アプローチウエッジが長さが同じとしても、他のクラブは、基本的には全て長さが違う。

この動作を短時間の間に行うことは、慣れてなければいい加減になってしまう。

明確な基準を作り上げ、日頃の練習で意識付けし記憶させ、クラブを握ることで、触覚が刺激され、その行為がきっかけとなり、感覚と意識を呼び起す。

又、動作確認にしても、素振り回数に注目しがちであるが、最大の目的は、記憶の呼び起こしであって、飛球イメージをしながら、これから使用するクラブのスイング動作を確実に完結する為の準備段階と、心の中で動作を起こす決断をする時間である。

swingを翻訳すると、行ったり来たりの意味となるので、準備段階では、振子運動を行うことが、ルーティンでは適した動作となる。

 

 フロイトは、意識と無意識の関係を

「心とは氷山のようなものである。氷山は、その大きさの7分の1を海面の上に出して漂う。」と喩えた。

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