ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

このエントリーをはてなブックマークに追加

人体の動きを理解しながらプレーをする。

横と縦

人の身体は、年齢を重ねることや、動かさないことで筋肉や筋が硬直したり、疲弊して活性酸素が大量に発生することによって動作がスムーズでなくなる。

運動習慣のない人が運動をすれば、筋肉痛などの痛みを伴うこととなったり、加齢に伴い、動作がスムーズさを失うことは、何かきっかけがないと気付かない。

全身が筋肉痛となったり、身体のどこかに局部的な痛みを感じている状態でくしゃみをすると、上半身と下半身の離れた部位が、同時に痛むことで、体の繋がりに気付かされる場合がある。

動きの連続性と関係がある人体構造を知ることで、効率的にトレーニングやストレッチなどを取り入れ、スムーズさを取り戻すことは可能である。

身体には、アナトミートレインと呼ばれる、全身の筋肉を束ねる筋膜ラインがある。

アナトミートレインとは、セラピストのトム・マイヤーズ氏が提唱する筋・筋膜のラインを通して、動作の安定がどのようにして得られるのか解明する理論。

ANATOMY TRAINS OFFICIAL JAPAN SITE

 独立して動かしていると思っていた部位が、筋膜によって繋がっていることを実感するのは難しいかもしれないが、部位の繋がりを意識して動作をするのには有用である。

上記サイトの図解にある、背中側のラインは、ゴルフスイング動作で必要な体幹の動き、特に体の中心を意識するのに有用なラインとなる。

 ゴルフクラブ同様に、体幹と腕にはそれぞれに役割があり、ゴルフスイング動作は、全身をバランスよく使うことによって成り立っている。

スイング動作=関節動作(屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋、尺屈、とう屈、回内、回外)の組み合わせである。

スイング動作をスムーズに行うのは、関節動作をスムーズに行うことで、先ずは可動範囲を知る必要があり、知ることによって無理な動作を防ぐことが出来る。


動画で示している様に、可動範囲は、外旋、内旋などによって変わる。

肩関節(筋膜などの柔軟性)の可動範囲は、クラブの上下運動に関わる。

クラブの上下運動は、打撃角度を作るので、飛距離に影響を及ぼす。

 

体幹の可動範囲を知るには、椅子に座った状態で、目線と顔を正面に向けたまま、上体を右方向に(右利きの場合)向け、椅子の背もたれを右手で掴み、アナトミートレインのフロントラインにある、腹筋を動かすことで、左肩が動くのが確認できる。

動作中に、顎を動かさないことで、首のラインが繋がっているのも確認できる。

動きの範囲やスムーズさで、可動範囲が理解できる筈である。

 

腕の動きは、クラブの動き、特性に照らし合わせて考える必要がある。

飛距離を得るには、ボールに対するクラブヘッドのスピードが必要不可欠である。

ゴルフクラブには、縦、横、回転の動きがあり、これらの動きは、主に腕の動きによって行われ、体幹の動きによるクラブの動きは、横方向のみとなる。

クラブの中で、最も微妙なコントロールを要求されるのが、パターである。

パッティングは、遠くに飛ばす事より、方向性と正確な距離感が必要とされる。

ストロークに於ける方向性とは、ターゲットライン上にクラブヘッドが、フェイスの向きを変えることなく、直進安定性を以って動く様であって、打撃角度は必要がない。

パッティングのストロークは、クラブを回転することも、持ち上げる必要もない。

体幹の中心を出来る限り動かすことなく、体幹は最小限の動きに抑え、クラブヘッドとグリップエンドの動きに時間差を作らずに、肩回りの動作だけでストロークする。

ボールに対して一定の強さでインパクトする必要があるので、力を増幅させる腕の回転を行わずに、手首と肘を固定させる必要がある。

しかし、ゴルフボールを飛ばすには、クラブヘッドのスピードと、クラブヘッドをボールに当てる瞬間的な衝撃力が必要なので、回転力に打撃角度を加える動作を行わねばならない。

クラブヘッドのスピードが、インパクトにかけて増幅することで、最大限の飛距離を得られる。

体幹のスピードや体幹から発生する瞬発力は、神経伝達速度に比例するので、筋膜の柔軟性が必要となるが、運動経験、年齢に左右され、瞬発力や柔軟性は、加齢と共に減少する。

動作のスムーズさを保つには、神経経路をスムーズに保つ必要があり、筋肉を肥大化することよって、骨、神経、血管、リンパ、筋肉の筋膜ネットワークに影響を及ぼすことになる。

スポーツの世界で、必要以上の筋肉強化は、動作を阻害し、柔軟性を失うことを証明した代表的な人物は、やはりイチロー選手であろう。



 イチロー選手の経験に基づく話には、インパクトと説得力がある。

ゴルフスイング動作にも、共通するところが多く、バランスを保ったまま動作を終えることは、一般ゴルファーには高いハードルではないだろうか。

加齢とともに、筋力が落ちるのは致し方ないとして、筋膜の柔軟性があれば、バランスとスピードを手にすることは可能である。

筋膜の柔軟性があれば、関節の可動範囲も保たれ、スムーズに動かせる。

野球と違い、ゴルフの構えは、腕を下げた状態でグリップし、動作をスタートさせる。

この状態で、クラブを横に動かすだけでは、ボールに力とスピードを加えることは出来ない。

クラブヘッドスピードを、インパクトにかけて増幅させるには、横の動きに縦の動きを加える必要がある。

ゴルフクラブを縦に動かすには、腕を縦に動かせばいい。

体幹を縦に動かす動作でも、クラブを地面から浮かすことはできるが、体の中心がズレることになるので、スイング動作中にバランスを保てない。

スイング動作中に、体幹のバランスが保てなければ、打点位置は安定しない。

動作中にバランスを保つ体幹の動きは、体の傾きを保つ動きとなる。

動画の中で、イチロー選手が説明している、肩は平行に保たないと意味がないは、動作中のバランスを保つためのヒントとなり、ゴルフのスイング動作も同じである。

ゴルフのプレスイング(構えの段階)で、両肩のラインは平行にはならない。

グリップをする両手の位置関係から、目標に近い側の肩が、通常上がっている状態になる。

そしてこの度合いは、クラブによる適正な打撃角度を実現する準備段階となるので、クラブによって差異があり、ゴルファーは上体が傾いて構えていることを理解する必要がある。

体幹の動作は、クラブによる差異があまりない。

体幹の動きは、クラブを横方向に、腕の動きはクラブを縦方向に動かす。

クラブを横と縦に動かすタイミングと時間によって、バランスの取れた動作なのか、クラブの正しい動きなのか、外部から判断できる。

イチロー選手曰く「肩に力が入っていると言われ、肩の力を抜こうとしても無理で、膝の力を抜けば、肩の力も抜ける。目に見える部分しか目をつけられない人が多い」

一流選手の経験に裏付けられた指摘ではあるが、第3者の動作を本質的に見抜く力は、自らの経験値だけではなく、多方面の知識が必要不可欠となる。

このエントリーをはてなブックマークに追加