ゴルフ哲学

ゴルフ上達方法は、沢山ボールを打つ事ではありません。人が行うゴルフスイング動作は特別な動作ではなく、issueを特定し、知覚と意識に目を向ける事が上達には欠かせません。

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賢明である秘訣は、重要視しなくともいいものが何かを心得ることである。

視覚と聴覚

接客を行うサービス業などに従事しているビジネスパーソンならば、メラビアンの法則を知っていると思うが、社員研修などでも活用されている。

情報の多くを視覚と聴覚から得ているとの概念だが、インターネットでこの法則を検索すれば、賛否両論が溢れている。

どう解釈するかは人それぞれだが、現代社会では、人の感覚が衰退しつつある現状には異論がないのではないだろうか。

このことは、現在でも伝統社会で生活をしている人達と比較すれば明らかだろう。

子供の老眼が増加していたり、普段の生活では危険予知能力もあまり必要がなくなっている。

耳にはヘッドホーン、視線はスマホ画面。

現代人は自ら感覚を鈍くさせる生活を普段から強いられているのか、望んでしているのか。

動物としての本能や感覚は、環境によって大きく左右される。

感覚を必要とする動作は、自らが意識していなければ、現代の生活環境では衰えてしまうだろう。

 

スポーツなどの動作では、感覚は絶対条件である。

ゴルファーにとって、ゴルフの上達にも大きく影響を及ぼす。

伝統社会で生きる狩猟採集が必要な人の視力や聴力が、元来人が備え持った感覚だろう。

しかし、スポーツは視力や聴力が平均値より上位である必要はない。

弓道ライフル射撃などはその必要があるであろうが、ゴルフでは重要とは言えない。

必要なのは、数値では表すことが出来ない知覚である。

スポーツビジョンの第一人者である視覚情報センターの田村知則氏は、”いい眼=視力ではない”と言う。

newspicks.com

視力は平均値以下と言われるイチロー選手を例に、イチロー選手はどういう眼の使い方、見方をすれば、身体の反応につながっていくのかを意識していると説明している。

このことは、野球以上にゴルフに当てはまるのではないかと思う。

野球などはゲーム中、目標物となるボールは常に動いている。

ボールを動かすのは人で、ボールを動かす人の動作やボールの動きを見ることでその対象者は、動作に入るきっかけを得ることが出来る。

ゴルフはどうだろう、目標物であるボールは常に止まっていて、ゴルファー自身が動かす意思を持たなければ動くことはない。

周りの環境に動くものがあれば、意識をその動きに合わせて、次の動作に入りやすいがゴルフの場合は全く逆で、周りに動くものがあれば集中できない。

ボールは止まっているし、動作を合わせる相手もいない。

多くの人は、動いているボールを打つより止まっているボールを打つ事が容易と勘違いする。

動作は動いている何かに合わせることのが、動くきっかけも掴み易く、初動がスムーズに行えれば、意識も次の動作に移すことが容易となる。

動くものに合わせることが動作をスムーズにさせるので、ゴルファーは無意識にその対象を探す。

その対象となる唯一の”もの”はクラブヘッドになる。

バックスイングでクラブヘッドを真っ直ぐに引くのが良いと言われ、実行しているゴルファーは要注意である。

一時的に動きはスムーズにはなる。

視線だけでクラブヘッドを目で追っていた動きが、気が付かぬ間に徐々に大きくなり癖となり、やがてスイングバランスを崩す原因となってしまう。

ミスショットの原因が、ボールをインパクトで見ていないから、ヘッドアップ(死語となるべき単語)しているからと言われ、スイング動作中ボールに意識を集中すれば間違った見方となり、スムーズな動作は損なわれる。

動作の初動をスムーズにさせる方法として、ワッグルやフォワードプレスがある。

意識的に取り入れてもいいし、無意識に取り入れている場合もある。

動作をスムーズに行うには、反動を利用する方法が最も一般的である。

反動を利用してスムーズな動作を体感、取り入れるには素振りが一番効果的と言える。

素振りとは、実際の動作を再現することではなく、プレショットルーティンに取り入れて実際のスイング動作で打つ飛球のイメージを膨らませる行為である。

素振りをして、素振りと同じように実際のスイング動作が出来るようにと考えても意味はない。

ツアープロのルーティンの際に行う素振りを観察すれば明らかだが、一度クラブヘッドを目標方向に送ってから動作をしていたり、連続してスイング動作をする。

その動作を観察すれば、これから打つ飛球のイメージが表れている。

回数を決めている場合もあるが、素振りの間にイメージを固めれば次の動作に入れる。

割とローハンディのゴルファーに多いのが、コースラウンドであっても打つ前に素振りをしないゴルファーやトーナメント会場でのレンジ練習で素振りをしないツアープロは多い。

心を落ち着かせたり、身体の状態を確認する必要がなければ素振りは必要がないのだろう。

プレショットルーティンの段階で、目標に対する意識を持っているのか、ボールに意識がいっているのか、その動作を見れば解ってしまう。

ツアープロと一般ゴルファーでは、ボールに対する意識が全く異なる。

一般ゴルファーの多くは、クラブヘッドにボールを当てることに集中する。

故に、素振りに時の視線は地面に向けている。

地面を見ながらクラブヘッドの通り道を確認することに集中すれば、目標にボールを飛ばすイメージなど出来ない。ここに気が付かなければ、ゴルフスイング動作に対して何をどう意識してもスムーズな動作にはなり得ない。

又、一般ゴルファーはバックスイングに意識が向かいやすいので、素振りでも意識に合わせて、視線と顔の向きが目標とは反対方向に動く。

意識は動作のイメージを描き出すので、バックスイングに対する意識が過剰となるとイメージは立体にはならずに、平面なイメージになる。

そして、そのイメージが動作となるので平面な動作は、力感のないスイング動作となる。

 

ゴルフにも共通する事で、ベテランドライバー(上級者)と初心者、普段あまり車の運転をしないドライバーを比較すると、視線の動かし方に大きな差があるという。

ベテランドライバーの視界は広く、常に視線は動いている。

一方で初心者ドライバーの視界は狭く、1箇所に視線が固定される時間が長い。

どこを見るではなく、見方の問題でもある。

集中力が高い状態とは、周りが良く見えて、1箇所に視線を固定させるのではなく、聞く必要がある音だけが音として認識できる状態である。

集中できていない状態は、この逆である。

 

『賢明である秘訣は、重要視しなくともいいものが何かを心得ることである。』

ウィリアム・ジェイムズ「心理学」より~

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